アートセラピーは、クリエイティブ・アーツ・セラピーまたは芸術療法ともいわれ、子どもの教育から高齢者の介護の現場まで、広く注目されています。どのような内容なのか、またアートセラピストになるために必要な資格も紹介します。
アートセラピーとは心理療法のひとつで、絵画や音楽、ダンス、写真、演劇などの芸術分野の表現をすることによって、心身の健康や自己理解を深めます。言葉にできない感情や悩みを整理・解放することにつながり、心身の回復や成長を促すことを目的としています。
重要なのは、制作する作品の良し悪しではなく、ありのままの自分を発出すること。誰にでも簡単に取り組めることから、子どもから高齢者まで幅広い年齢層で取り入れられています。
砂の入った箱の中に、人間や動物、植物、建物などのミニチュアを自由に配置して箱庭を作ります。基本的にはセラピストと1対1で行い、言葉にできない感情や葛藤などを箱庭で表現します。
コラージュとは、ピカソやブラックといった芸術家が行っていた技法のことで、フランス語で「のり付け」という意味があります。
写真やイラスト、雑誌の切り抜きやなど、好きなものを好きな形に切り抜いて台紙に貼り合わせていきます。異なる素材や色の組み合わせによりアートを完成させ、自己の解放や理解を深めます。
音楽療法には、自分自身で歌ったり演奏したりする能動的なものと、音楽を聴く受動的なものがあります。
歌を歌うとスッキリしたという経験がある人は多いでしょうが、高齢者にとって能動的に歌を歌うことは、のどや肺活量を鍛えることにも繋がります。
まだ言語を習得していない子どもは、言葉による表現が難しいですが、楽器なら音を鳴らして表現することができます。
また受動的音楽療法は、音楽を聴くことによるリラックスや癒しの効果を期待して行います。
演劇の仕組みや表現を応用した心理療法です。演技やロールプレイを通じ、参加者が自分やお互いの感情や思考を理解することを目的としています。
演技では役を演じますが、自分ではない他者の視点に立つことで、自分では気づかなかった新しい考えや行動に気づくことが期待されます。新しい気づきにより、心の癒やしや成長につながっていきます。
精神科医の中井氏によって考案されたアートセラピーのひとつです。画用紙などに、川・山・道・家など10程度のアイテムを描いていき、できあがった絵を元にセラピストと対話をします。
絵に描くアイテムに問題の象徴が隠されていると定義されており、セラピストが分析したり問題の言語化に役立てたりします。
風景構成法の分析は、箱庭療法に準じています。
植物や土などとふれ合うことで心身の癒しを求めるのが園芸療法です。ガーデニング、苔玉を作る、フラワーアレンジメント、野菜の収穫など、規模や内容は多様で特に決まったルールはありません。
花や緑、土や水といった自然とふれ合い、時には収穫物を得たりすることで心が解放され、心身の健康回復を図ることを目的としています。
アートセラピストになるためには、基本的に心理学を学ぶ必要があります。臨床心理士や各種カウンセラーを目指すのが一般的な道でしょう。
臨床心理士は、指定大学院の修了と資格試験の合格が必要なので難易度が高くなります。
カウンセラーは民間資格が複数あるので、受験資格などを確認しながらスクールなどで学べます。通信講座などもあり、各資格で期間やレベルも異なるため、自分に合ったものを選びましょう。
アートセラピストは、アートを用いた心理療法を行います。アートの素養はもちろん、心理学の資格やスキルが必要となります。いずれのアートも作品の良し悪しではなく、クライエントの心身を癒すことを目的としています。指定大学院の修了といった難易度の高い資格もあるため、進路の決定は慎重に行いましょう。当サイトでは、自分を表現する創作・創造の場となる美大予備校について紹介していますので、美大への進学に興味を持っている方は、ぜひチェックしてください。