「ムサビ」の略称で知られる武蔵野美術大学について、学部・学科やキャンパス情報などを紹介していきます。「ムサビって一体どんな大学なの?」そんな疑問にお答えするべく、多摩美術大学こと「タマビ」と比較されることも多い武蔵野美術大学の特徴や評判を調べてみました。
小平市にある武蔵野美術大学は、多摩美と並んで私立美大の中でトップクラスの人気と知名度のある大学です。美大に興味がない人でも、ムサビの名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
武蔵野美術大学は1929年に帝国美術学校として創立され、その後1935年に多摩帝国美術学校(現在の多摩美術大学)が分離独立しました。「ムサタマ」と言われてよく比較される武蔵美と多摩美ですが、元々は1つの学校だったのです。
武蔵野美術大学は、幅広い教養をもった専門家を育成するという教育理念を持っています。そんなムサビでは1・2年次に、学科に関わらず受講できる共通科目として、共通絵画や共通彫塑という実技のカリキュラムを開設しているのが特徴。専門でない分野の制作についても一通り学ぶことができます。
また、武蔵野美術大学には造形学部と造形構想学部があり、絵画、デザイン、建築、映像、芸術文化など、多様な12学科が設置されています。2019年に新設された造形構想学部クリエイティブイノベーション学科は、既存の考え方にとらわれない課題解決策によって創造的なイノベーションを生み出す人材を育成する学科。3・4年次は、都心にある市ヶ谷キャンパスが拠点になります。
武蔵野美術大学は、キャリアサポートにも力を入れています。2021年度の進路状況を見ると、就職希望者の80%以上※(学科によっては100%!)が就職先を決めています。そのうちの約7割は、クリエイティブな専門職に就いているそうです。造形学部の中でも、建築やデザイン系の学科は、就職希望者の割合が多い傾向にあります。もちろん、作家活動の道へ進む卒業生や、進学を選ぶ人も多くいるので、それぞれが希望する進路をサポートしているということでしょう。
まず、建物がとてもかっこいいです。最近では特に藤本壮介氏設計の図書館が有名ですが、それ以外にも芦原義信氏により設計された油絵学科棟が特に素晴らしく、大学へ通うのがとても楽しくなります。授業の内容でも面白いものが多いです。例をあげると、グレートジャーニーと呼ばれている関野吉晴氏による授業では、教授が行った人類が旅した経路をたどるという旅の一部始終から、自分自身の生き方やそれに対する考え方を見直し考えることができます。
デザイン情報学科はデザインの分野だけでもグラフィックデザイン、エディトリアルデザイン、Webデザインを専任の教員から学ぶことができます。デザイン以外ではブランディング、CM映像、アニメーション、3DCG、メディアアートといった分野を履修することができます。こちらは専任の教員がいないこともありますが、自分自身に「やりたい」というモチベーションがあれば、それを表現するための環境は充分に整っていると思います。
キャンパスは広く、最寄り駅は徒歩15分程です。バスは徒歩1分圏内に停留所があり、大学の近くには学生専用の住宅が何棟もあります。施設は綺麗で自然も多く充実しています。卒業制作は毎年全員がレベルの高い作品を展示しています。体育館も美大は大きく充実した大学生生活がエンジョイ出来ると思います。
また、地域の小中学校や市とも連携して交流ができます。
倍率が高いだけあってそこそこレベルの高い環境で色々な作品に挑戦できるのは楽しい。自分の専攻以外に油彩など全く違う学科の授業を選択できるのも面白い。
かなりコンセプト重視の作品を作ることが多く、理論的に考える力が必要な授業となっている。学校の設備がものすごく充実していて学校内に世界堂があるのはすごく便利。先生も親切でいい学校だと思う。
就職に強いためこの学校を選んだが、やはり就職に対する意識が強く、同級生も向上心があって切磋琢磨できるのでいい環境だと思う。
1、2年のうちは社会学やマーケティングの他に造形的技術も多く学べます。その授業を受けていくなかでデザインが気になったようであれば転科をしデザインの道に進めば良いし、地域コミュニティを創ることに興味が湧けばその道に進めば良い。様々な選択肢から自分の進みたい道を選ぶことができそれをサポートしてくれる学科だと思います。必修以外にも沢山の分野の授業を受ける機会があります。
作品を生み出すアーティストになるために学ぶ場は多くありますが、そのアーティストたちと社会をつなぐ人になるために学ぶ場は貴重だと思います。アートは作り人のためだけにあるのではなく、それを鑑賞する人によっても成り立っています。この学科には同じ熱量で芸術を愛している学生、先生、人たちがいます。
一年時は、基本的な実践を行います。デッサンや彫刻など全くの初心者でも先生方は丁寧に指導してくれます。
1学年の人数も少なく、教授たちとの距離も近いので、なんでも相談できるとても良い専攻だと思う。元々は油絵専攻に落ちて受かった版画専攻に入り、3年次に油絵に転科しようと思っていたが、今は版画に受かってよかったと思っている。転科の予定もない。毎日の授業が楽しい。
教授たちが皆寛大で、やりたいと思ったことや悩んでいることに親身になって下さるので、自由にのびのび制作ができる。
就職にも強く、私立美大の中でも難関で人気がある武蔵野美術大学は、入試の倍率も高いです。2023年度一般入試(一般方式)の倍率は、人気の高い油絵学科グラフィックアーツ専攻で8.4倍、全体でも3.5倍でした。ムサビに合格するためには、美術予備校などを利用して、しっかりと準備・対策しておくことが大切ですよ。